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ピル・子宮内避妊具
現代の避妊方法の中でも特に一般的で効果的な2つの選択肢、ピル(避妊用低用量ピル)と子宮内避妊具(IUS)についてご紹介します。避妊は女性の健康と生活に大きな影響を与える重要な問題です。ここでは、これらの避妊法の仕組み、使用方法、メリットとリスク、そしてよくある質問について詳しくご説明します。正しい知識を持つことは、ご自身の最適な避妊方法を選ぶ上で非常に大切です。
ピル(避妊用低用量ピル)
よく言われているピルとは、避妊用低用量ピルのことで、女性ホルモンを含む経口避妊薬です。排卵を抑制し、受精卵の着床を難しくすることで妊娠を防ぎます。約50年前にアメリカで発売され、世界中で約1億人の女性が使用しています。日本では使用者がまだ少ないものの、生理痛の軽減や貧血の改善にも効果が期待できる薬です。
服用方法とご注意いただきたいこと
- 月経の1~4日目から1日1錠を服用
- 同じ時間に服用することで飲み忘れを防ぐ
- 飲み忘れた場合は翌日に2錠服用。
- 2日以上飲み忘れた場合は、避妊効果が保証されないため、別の避妊法を使用すること
副作用にも注意をしましょう
低用量ピルの主な副作用には不正出血や吐き気、頭痛、胸の張りなどがあります。他に頻度は稀ですが、重篤な副作用として血栓症があります。手足のしびれや麻痺、呼吸困難感が出現した際には速やかに受診してください。
子宮内避妊具(IUD)
子宮内避妊具(IUD)とは?
子宮内避妊具(IUD)とは避妊の目的で子宮内に装着する小さな器具のことです。IUDは一度挿入すれば数年間避妊することが可能です。近年では銅が付加された銅付加IUDと、避妊具からホルモンが放出される子宮内避妊具(IUS)がよく使用されています。IUSは黄体ホルモンを子宮内に持続的に放出し、子宮内膜を薄くすることで受精卵の着床を防ぎ、高い避妊効果を発揮します。銅付加IUDよりIUSの方が、避妊効果が高いと考えられております。
このような方が適用対象者となります
ピルより副作用が少ないため利用者が増加傾向になっていますがしっかりと専門医に相談をしてすすめるようにしましょう。
- すでに子供がおり、将来的に妊娠・出産を望まない方
- 毎日のピル服用がわずらわしい方
- 経膣分娩経験のある方
- ピルを服用できる対象にならない方
装着方法とその後のご注意
- 生理開始を1日目とし、10日以内に装着
- 数分程度の外来処置で装着可能
- 装着後は出血や下腹部痛などがあらわれることがあり、異常がある場合は受診が必要
- 不要になった場合も外来で抜去することができます
子宮内避妊具でいただく質問
避妊効果はどの程度ですか?
90%以上の避妊効果がありますが、100%ではありません。
装着後、いつから避妊効果が発現しますか?
装着後すぐに避妊効果がありますが、性感染症予防のためコンドームの併用が推奨されます。
子宮内避妊具の装着が生理に与える影響は何ですか?
装着すると生理の量や回数が減ることが多く、生理が来ないこともあります。
定期検診は必要ですか?
異常がなくても1年に1度の受診が必要です。
性行為時に違和感はありますか?
通常は影響ありませんが、違和感がある場合は受診が必要です。
妊娠を希望する場合、どうすれば良いですか?
医師により子宮内避妊具を取り出せば、挿入前の状態に戻り妊娠が可能になります。
専門医から避妊法の選択のアドバイス
避妊用低用量ピルと子宮内避妊具は有効な避妊手段ですが、患者様の健康状態や生活習慣に合わせた選択が大切となります。ピルは毎日の服用が必要で、副作用への心配があります。子宮内避妊具は長期的な避妊効果がありますが、装着には医師の処置が必須です。避妊方法を選ぶ際は、専門医と相談して自身に最適な方法を選びましょう。当院でも、患者様のお悩みをしっかりとお聞きしますのでお気軽にご相談ください。